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ボタンを押したくなる集計画面。ピボットテーブルに「スライサー」を付けて、取引先も年もポチッと切り替える方法

画面(液晶モニター)を直接指で押そうとしている

前回の#019では、ピボットテーブルで、取引先別・月別の集計表が数式なしで完成しました。240個のSUMIFSを疑う日々は終わり、ディレクターは晴れやかな気分です。ところが、完成した表を社長に見せた日から、話は少しだけおかしな方向へ進みます。

社長が、フィルターの矢印を押してくれない

ディレクターディレクター:
「ピボットテーブルを社長に渡したんです。『A社だけ見たいときは、ここの小さな矢印を押してください』と説明して。」

AIAI:
「その矢印は、小さいうえに、ただの三角形ですからね。ボタンに見えません。」

ディレクターディレクター:
「社長は結局、画面に直接指を当てて『A社って書いてあるところを触ればいいんだろ』と言って、液晶を指でぐいぐい押していました。」

AIAI:
「社長の直感のほうが、正しいんです。『A社』という名前そのものを、押せるボタンにすればいい。」

ディレクターディレクター:
「そんな都合のいい機能が……あるんですか?」

AIAI:
「あります。名前は『スライサー』です。」

スライサーを、パンを切る道具だと思った

ディレクターディレクター:
「スライサーって、ハムとかチーズを薄く切る、あの台所の道具ですよね。」

AIAI:
「ええ。ですが、Excelのスライサーが切るのは、ハムではなくデータです。大きな表を、取引先ごと、年ごとに、薄く切り分けて見せてくれます。」

ディレクターディレクター:
「じゃあ、お昼のサンドイッチを作る私の気持ちで使えばいいんですか。」

AIAI:
「ええ。ただし、サンドイッチは作りません。作るのは、見やすい集計画面です。」

本質パート:スライサーを付ける手順

ここからは、ほんの少しだけ真面目な話です。手順は、思っているよりずっと短いです。

1. ピボットテーブルの中のセルを1つ選択
2. ピボットテーブル分析タブ → スライサーの挿入
3. 切り替えたい項目にチェック(例:取引先、年)
4. OK → 項目ごとに、ボタンが並んだ小さな窓が出てくる
直感的にクリックできる様子

あとは、出てきたボタンを押すだけです。「A社」のボタンを押せば、ピボットテーブルがA社だけの表に変わります。「2026」を押せば、2026年分だけになります。複数のボタンを選びたいときは、Ctrlキーを押しながらクリックします。

やりたいこと操作
1社だけを見るその会社のボタンをクリック
複数の会社をまとめて見るCtrlキーを押しながら、ボタンを続けてクリック
全部の表示に戻すスライサー右上の「フィルターのクリア」(×印の付いたじょうごのマーク)をクリック

「年」のスライサーが一覧に出てこない場合は、#019で日付をグループ化するとき、「年」と「月」の両方を選んでおいてください。または、元のテーブルに「年」という列を足し、数式に =YEAR([@日付]) と入れておく方法もあります。#018で学んだ構造化参照が、ここで顔を出します。

全部のボタンを押して遊んだ結果

スライサーのボタンを楽しく次々とクリック

ディレクターディレクター:
「楽しくて、20社分のボタンを順番に全部押してしまいました。エレベーターのボタンを全部押す子どもの気持ちが、いま分かりました。」

AIAI:
「押したくなるボタンは、いいボタンです。ただ、押したままにして帰ると、翌朝、問題が起きます。」

ディレクターディレクター:
「問題、ですか。」

AIAI:
「スライサーを一つ押したままブックを閉じると、次に開いた人は、A社だけの表を見ることになります。そして、ある朝、社長が言うんです。『先月の売上、こんなに少なかったか?』と。」

ディレクターディレクター:
「それ、売上が減ったんじゃなくて、全部の会社が見えていないだけじゃないですか。」

AIAI:
「その通りです。数字が少なく見えたら、まず慌てず、スライサーの右上の『フィルターのクリア』を押してください。売上は、減っていません。」

見た目を整えて、もっと押しやすくする

・スライサーを選択 → スライサータブ → 「列」の数を増やす
 → 取引先が多いとき、ボタンを横に並べて見やすくできる
・スライサータブ → スライサースタイル
 → ボタンの色を変えられる(#017のコーポレートカラーに合わせると統一感が出る)
・スライサーは、ドラッグで好きな位置・大きさに動かせる

複数のピボットテーブルを、1つのスライサーでまとめて切り替えたいときは、スライサーを右クリックして「レポートの接続」を選びます。接続したいピボットテーブルにチェックを入れるだけです。

今日のまとめ(AIと一緒に)

AIAI:
  1. 1.ピボットテーブルの中で「スライサーの挿入」を選び、取引先や年にチェックを入れるだけで、ボタンが出てくる。
  2. 2.複数選ぶときはCtrlキーを押しながらクリック。全部に戻すときは、右上の「フィルターのクリア」。
  3. 3.押したままブックを閉じると、次に開いた人の数字が減って見える。共有する前に、クリアしておく。
ディレクターディレクター:
「これで、社長に液晶を指で押されても、ちゃんと反応する集計画面になりました。」

AIAI:
「ただし、液晶を押しても動かないモニターの場合は、マウスでお願いしますね。」

次回#021では、このスライサーと連動する「ピボットグラフ」を作って、ボタンを押すたびにグラフもいっしょに切り替わる、ダッシュボードのような画面にする方法を扱う予定です。

ディレクターとAIの奮闘記 #020 おわり