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ボタンを押すと、グラフも一緒に動く。スライサーとピボットグラフで、ダッシュボードのような集計画面を作る方法

無理難題を言われ、困り果てるディレクター

前回の#020では、ピボットテーブルにスライサーを付けて、取引先や年をボタンひとつで切り替えられるようになりました。社長にも好評で、ディレクターはご満悦です。ところが、その日の夕方、社長がぽつりと言います。

「数字はいい。絵で見せてくれ」

ディレクターディレクター:
「ボタンで切り替わるのは便利だけど、結局、数字の表を目で追うのは疲れる、と社長が言うんです。」

AIAI:
「#011で『数字の羅列を見て誰も動いてくれなかった』と学んだはずですが。」

ディレクターディレクター:
「その古傷、いま触らないでください。」

AIAI:
「では、ボタンを押すとグラフも一緒に動く、ダッシュボードにしましょう。」

ディレクターディレクター:
「ダッシュボード。飛行機のコックピットみたいな、あれですか。」

与太話:「ダッシュボード」の由来

AIAI:
「ちなみに、ダッシュボードの語源は、馬車の前に付いていた『泥よけの板』だとされています。馬のひづめが跳ね上げる泥を、ぶつけて止める板、という意味です。」

ディレクターディレクター:
「また適当なことを言っていませんか。#016の『The One Table』の件、まだ覚えていますよ。」

AIAI:
「今回は本当です。信用を取り戻すために、先に言っておきました。」

ディレクターディレクター:
「じゃあ、このダッシュボードは、社長が投げてくる『数字を絵にしてくれ』という泥を、受け止める板ということですね。」

AIAI:
「うまいことを言いましたね。そのまま次に進みましょう。」

本質パート:ピボットグラフを作る

ダッシュボードのような洗練された集計画面が完成

ピボットグラフは、ピボットテーブルと直結したグラフです。ピボットテーブルが変われば、グラフも一緒に変わります。そして、スライサーはピボットテーブルを切り替えるものなので、スライサーを押すと、グラフも連動して動きます。新しい設定は、実はほとんど要りません。

その前に、グラフが見やすくなるよう、ピボットテーブルの並びを少しだけ見直します。

エリア入れる項目グラフでの役割
行日付(月)横軸(月が左から右へ並ぶ)
列取引先線の種類(取引先ごとに1本ずつ)
値金額(合計)縦軸の高さ

#019では、行に取引先、列に日付を置きました。グラフでは、行に置いた項目が横軸になるので、「月ごとの推移」を見たいときは、行と列を入れ替えておくのがコツです。

1. ピボットテーブルの中のセルを1つ選択
2. ピボットテーブル分析タブ → ピボットグラフ
3. 「折れ線」(または「縦棒」)を選んでOK
4. ピボットテーブルの横や下に、グラフが現れる
「すべて更新」ボタンを押すことで最新データが一気に反映

これで、#020で作ったスライサーのボタンを押すと、表も、グラフも、同時に切り替わるようになりました。

ディレクターディレクター:
「ボタンを押したら、グラフの線が勝手に動いて、一瞬、心霊現象かと思いました。」

AIAI:
「心霊現象ではなく、ご縁です。スライサーと、ピボットテーブルと、グラフが、同じ元データでつながっているだけです。」

線が20本からまって、スパゲッティになったら

取引先が20社あるまま、すべて選んだ状態で折れ線グラフを出すと、20本の線が重なり合って、何が何だか分からなくなります。これは、ピボットグラフに限らず、折れ線グラフの宿命です。

・スライサーで、1社〜数社に絞ってから見る前提にする
・全社をまとめて見たいときは、折れ線ではなく「積み上げ縦棒」に切り替える
 (ピボットグラフを選択 → ピボットグラフ分析タブ → グラフの種類の変更)
・「上位◯社だけ表示」したいときは、ピボットテーブルの取引先に
 トップテンフィルターをかける

スライサーを付けた画面なら、「見たい1社を押す」使い方が基本になります。初期の表示は、全社の合計(または主要な数社)にしておくと、開いた瞬間に迷わず読めます。

ダッシュボードらしく、見た目を整える

・グラフ上の「フィールドボタン」を非表示
 → ピボットグラフ分析タブ → フィールドボタン → すべて非表示
・グラフの色を、#017のコーポレートカラーに合わせる
・表示タブ → 「目盛線」のチェックを外し、画面の背景を白くする
・配置の目安:上にスライサー、中央にグラフ、下か右に集計表

フィールドボタンとは、グラフの隅に出てくる「取引先▼」「日付▼」などの小さなボタンです。スライサーがあれば不要なので、消しておくと、画面がぐっと整います。

忘れずに:更新ボタンは、まだ必要です

#019で書いた通り、ピボットテーブルは、元データを変えても自動では更新されません。当然、ピボットグラフも同じです。今月分の行を追加したら、データタブ → すべて更新を押すと、表とグラフが一緒に最新になります。

今日のまとめ(AIと一緒に)

AIAI:
  1. 1.ピボットテーブルから「ピボットグラフ」を作ると、スライサーを押すたびに、表とグラフが同時に切り替わる。
  2. 2.月ごとの推移を見たいときは、行に日付(月)、列に取引先を置き、横軸を月にする。
  3. 3.線が重なりすぎるときは、スライサーで絞るか、積み上げ縦棒に変える。更新は「すべて更新」で、表とグラフを一緒に。
ディレクターディレクター:
「これで、社長に『絵で見せてくれ』と言われても、ボタンを押すだけで答えられます。」

AIAI:
「泥は、板で受け止めるものですからね。」

ディレクターディレクター:
「それ、気に入ったんですね。」

次回#022では、ここまでに作った集計画面を、A4用紙1枚にきれいに収めて、PDFで出力する方法を扱う予定です。

ディレクターとAIの奮闘記 #021 おわり