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A4一枚に、ぴったり収める。集計画面をきれいなPDFにして、社長に渡す方法

頭を抱えてガックリしているオフィスの一コマ

前回の#021では、スライサーとピボットグラフで、ボタンを押すたびにグラフも切り替わる集計画面が完成しました。ディレクターは達成感でいっぱいです。ところが、完成を報告しに行った社長の第一声は、予想外のものでした。

「画面はいい。紙でくれ」

ディレクターディレクター:
「社長が『ボタンを押すのは分かった。でも、会議には紙で持っていきたい』と言うんです。」

AIAI:
「#020で、液晶を指でぐいぐい押していた社長ですからね。画面より、紙に安心感があるのでしょう。」

ディレクターディレクター:
「分かりました。印刷ボタンを押せば済む話ですよね。」

AIAI:
「……そのまま押すのは、おすすめしません。」

印刷ボタンを、そのまま押した結果

ディレクターディレクター:
「押しました。プリンターから、3枚出てきました。」

AIAI:
「何がどう分かれましたか。」

ディレクターディレクター:
「1枚目に表の左半分、2枚目に表の右半分、3枚目にグラフ。しかも、グラフは紙の端で、真っ二つに切れていました。」

AIAI:
「荷造りと同じです。荷物を全部詰め込んで、スーツケースの蓋が閉まらない状態ですね。」

ディレクターディレクター:
「上手いことを言っていますが、3枚を並べて、必死にセロハンテープで貼り合わせた私の15分を返してください。」

本質パート:A4一枚に収める設定

Excelは、画面の見た目と、印刷される範囲を、別々に管理しています。だから、画面ではきれいでも、印刷すると思わぬところで分割されます。次の4つを順に整えれば、A4一枚に収まります。

①印刷する範囲を決める

1. 集計画面にしたい範囲(スライサー、グラフ、表)を、ドラッグで選択
2. ページレイアウトタブ → 印刷範囲 → 印刷範囲の設定

何も指定しないと、Excelはシート全体の入力済みの範囲を、勝手に印刷しようとします。まず、「ここを印刷する」と教えてあげます。

②用紙を「A4・横」にする

ページレイアウトタブ
 → サイズ:A4
 → 印刷の向き:横

スライサーとグラフと表を並べた画面は、たいてい横長です。縦のままにすると、無理に縮小されて、字が小さくなります。

③1ページに収まるよう、拡大縮小する

ページレイアウトタブ → 拡大縮小印刷
 → 横:1ページ
 → 縦:1ページ

横と縦を、どちらも「1ページ」にすると、Excelが自動で縮小して、A4一枚に収めてくれます。ここが一番の肝です。

④余白を整えて、中央に置く

ページレイアウトタブ → ページ設定(右下の矢印) → 余白タブ
 → 余白:「狭い」くらいにする
 → ページ中央:「水平」にチェック
ディレクターが「おっ!」と感心している様子

仕上がりは、表示タブ → 改ページプレビュー(または、ファイル → 印刷のプレビュー)で確認できます。青い枠線が、印刷される範囲です。

手順設定効果
①印刷範囲の設定印刷する場所を指定
②A4・横横長の画面が収まりやすくなる
③横1ページ×縦1ページ自動で縮小して一枚に収める
④余白を狭く・水平中央用紙の真ん中に、きれいに配置

PDFで出力する

紙で渡すのではなく、PDFで渡したいときは、印刷設定をそのまま使えます。

1. ファイルタブ → エクスポート → PDF/XPSドキュメントの作成
2. 「オプション」で、発行対象を「選択したシート」にする
3. ファイル名を付けて「発行」

ファイル名には、日付を入れておくと便利です。「集計画面_2026-11.pdf」のようにしておくと、翌月に作ったものと取り違えません。

AIAI:
「PDFは、電子の紙です。社長は、スマホで開けば、紙の安心感と画面の便利さを、両方手に入れられます。」

ディレクターディレクター:
「ただ、社長は、スマホだと字が小さいと言いそうです。」

AIAI:
「そのときは、紙で渡しましょう。」

つまずきやすいところ

スライサーを押したまま出力しない

印刷もPDFも、「いま画面に出ている状態」がそのまま出力されます。スライサーでA社だけを選んだままPDFにすると、社長の手元には、A社だけの集計表が届きます。

AIAI:
「社長が『うちはA社としか取引がなかったのか?』と青ざめる、#020の再放送になります。」

出力する前に、スライサーの右上の「フィルターのクリア」を押して、全社が表示された状態にしておきます。逆に、「A社専用のPDF」を作りたいときは、わざとA社を選んで出力すれば、取引先ごとの資料が簡単に作れます。

表が長すぎて、字が小さくなったら

取引先が増えると、「1ページに収める」設定のせいで、縮小率が大きくなり、字が読めなくなることがあります。その場合は、次のような手があります。

・ピボットテーブルに、トップテンフィルターをかけて、上位の取引先だけに絞る
・スライサーで、見せたい取引先だけを選んでから出力する
・どうしても全社を載せたいなら、「縦:1ページ」の指定を外して、2ページにする

更新したら、印刷の範囲からはみ出した

ピボットテーブルは、更新すると、表の大きさが変わることがあります。更新のたびに列幅が元に戻って、印刷範囲からはみ出すときは、ピボットテーブルを右クリックして「ピボットテーブルオプション」を開き、「更新時に列幅を自動調整する」のチェックを外しておきます。

グラフやスライサーが印刷に出ない

グラフやスライサーが、プレビューに映らないときは、それぞれを右クリックして書式設定を開き、プロパティの項目で「オブジェクトを印刷する」にチェックが入っているかを確認します。

今日のまとめ(AIと一緒に)

次回の展開へワクワクするようなオフィスの一コマ

AIAI:
  1. 1.印刷範囲を決めて、用紙を「A4・横」にし、「横1ページ×縦1ページ」で拡大縮小すれば、一枚に収まる。
  2. 2.PDFは、ファイルタブ → エクスポートから、選択したシートを発行する。ファイル名に日付を入れておく。
  3. 3.出力する前に、スライサーの「フィルターのクリア」を押す。押したままだと、そのまま出力される。
ディレクターディレクター:
「これで、会議の前に、セロハンテープで紙を貼り合わせる必要がなくなりました。」

AIAI:
「その15分は、毎月のことなら、年間3時間です。取り戻せましたね。」

ディレクターディレクター:
「ただ、毎月、更新して、スライサーをクリアして、PDFにして……この作業そのものが、面倒になってきました。」

AIAI:
「面倒だと思ったときが、自動化のはじめどきです。」

次回#023では、ここまでの毎月の手作業(更新、スライサーのクリア、PDF出力)を、ボタン一つで終わらせる、簡単なマクロの作り方を扱う予定です。

ディレクターとAIの奮闘記 #022 おわり